林整備のボランティアに参加してきました。

6月18、19日、久しぶりにボランティアに行って参りました。

いつも同じボラバスでご一緒する方が立ち上げたバスで、何と静岡からやってくるバスです。


静岡だけだと人が集まらないので、東京を経由し、東京組を拾って行きます。
東京からは、東京に住んでいる人だけではなく、埼玉や千葉、神奈川からもやってきますので、数が多いのです(笑)


私達も「羽生くんのリンク」があった、丸ビル入口で夜中の12時に集合しました。
(早朝、現地で見学させて頂いた記事はこちら


最近、熊本の震災があってから、東北のボラがかなり減ったという話を聞いていました。

福島は、これから順次避難区域が解除されるので、人手はまだまだ必要なのですが、緊急性が高い地域に人手を取られるのは仕方ありません。

こういうことは、行ける人間が行ける場所で頑張るしかないのです。


そんなことを考えながら南相馬のボラセンに到着すると、何と!今まで以上の人数が集まっていましたがびーん


人が集まらないため、平日はセンターを閉めることもあるらしいのですが、そのため土日に集中するようになったのでしょうか。


仕事と場所を割り振られ、次々に出て行く各チーム。

南相馬も人が戻りつつあるので、仕事は多岐にわたります。



そんな中、私達は安定の裏山整備&竹刈りです(笑)

OK!OK!
慣れてる慣れてる成功者っぽい顔


ベテランボラさんも多数いるので、仕事に問題はありません。


しかし!

資材置場に行くと

「あっ!チッパー(粉砕機)がない!」

先に行ったボラチームにチッパーを持って行かれてしまいました(笑)



2台しかないからしゃあないね。

ま、明日もあるさ。



総勢22人で裏山整備となると、何が必要?

「仮払い機5台くらいいるな」

「手鎌やノコギリも5本くらいあった方がいいよね?」
(カマやノコは持参している人も多数います。私も持参しました。笑)

「熊手とレーキも3本くらいずつ…」

「あ、ネコ車(一輪車)もいるよな?」


ベテランさん達が必要と思われる物をどんどん軽トラに積んでいきます。

さらにそれを、落ちないように庭師さんと元救急隊員さんがロープで固定していきます。


いやあ、頼りになるわあ、みんな(笑)



しかし、行って呆然。


今までで最強の傾斜です。
というより崖です。



とりあえず、手の届く範囲の草を引っこ抜き、抜けない草はマイカマーで切っていきます。

手の届く範囲はあっという間に終わったのですが、上は手が届かない。


すると、身軽な方々が、斜面(というより崖)に足をかけ、ひょいひょいと登って行きます。


あなた達はお猿さんですか~っ!?


ムリムリムリムリ!

私、高所恐怖症だもん!
自分ちのベランダを歩けないんだもん!

アイスショーの3階席の階段を降りるのが怖いんだもん!号泣あせ



というわけで、皆さんが上から落とす草をかき集める役をやることに(笑)



しかし、そうやってかき集めていたら

ズボッ

「ぎゃあ!」


側溝に片足突っ込んで転んでしまいました(笑)
(その記事はこちら


ボラに来て、作業とは関係ないところで転んだことはありますが、作業中に転んだのは初めてかも~!

痛い~!泣あせ




まあ、私の怪我ともかくとして、ボラというのは難しい仕事はない、と思ってもらってかまわないと思います。

単純作業ばかりです。

草を刈る。

竹を切る。

それを運ぶ。


そんな仕事ばかりです。



私は腕力がない上、目も悪いのでので仮払い機には手を出しません。

自分が怪我をするならともかく、回りが見えなくて誰かを怪我させては話にならないからです。


高いところにも登りません。

高所恐怖症だからです(笑)


体力がないのですぐ休みます。

無理が1番禁物だからです。

そんな私でも、毎回ちゃんと、出来る仕事があるのですから、ボランティアのハードルは案外低いのです。


お昼はコンビニで買ってきた食事を、ブルーシートの上に座って食べるのですが、その時既に、私の足はかなり痛んできていました。


長靴が暑くて熱を持ってきているのです。

仕方ない。

雨も降ってないし、足元は乾いているし、長靴脱ぐか(笑)


つーか、暑い時に長靴って結構辛いんですよ苦笑

スニーカーに替えて、かなり楽になりました。




しかし暑いです。

食事をしている最中も、暑くてヘバッています(笑)


「私、自分の家だって綺麗にしてないのに、なんで人の家を綺麗にしてるんだろ…」

と、ぽつりと呟いたところ、その場にいた全員が

「私も!」

「私も!」

と激しく同意してくれました(笑)



本当に不思議ですよね?
なんでこんなキツイ思いをしながら、普段やらないようなことをやっているんでしょうね?(笑)



午後は、集めた草をトン袋に入れる作業です。

草を集めて、運んで、大きな袋に入れるのですが、トン袋を見るなり、ベテランボラさんがカッターで袋の口の部分を切り始めました。

トン袋は口が小さいので入口を広げるのです!



なんてこった!

こんな方法があったとは!

2年前、この小さな口から一生懸命入れてたよね?

うう~ん、人間やっぱ学習するわぁ(笑)



しかし、草はすぐにいっぱいになってしまいます。

揺すると少し隙間が出来ますが、もっと入れないと袋がいくつあっても足りません。


「よし!君!中に入って上から踏んで」

「え?がーん


初めて参加してきた若いお兄ちゃんに、おばちゃんは情け容赦なく命令、もといお願いをします。

「若いんだから、身軽でしょ?中に入って踏んでくれたらもっといっぱい入るから」

「は?がーん


最初はびくびくしながらトン袋に入って踏んでいたお兄ちゃんも、そのうちある程度袋がいっぱいになると自分で入って踏んでくれるようになりました。

もちろん、「名人~!さすが名人!うわ~ずいぶん減ったわ~!すっご~い!」と褒めることは忘れちゃいけません(笑)

若いモンはおだてて、もとい褒めて使うのです(笑)




崖を整備していた人達は、高い所に登るため、ボラセンから大きな梯子を持って来ていました。
それを立てかけ、もっと高いところの草を刈るのです。


ムリムリムリムリ!高い所はムリ!(笑)




こんなハシゴじゃ届かねえぜ!
ってことで、これの倍くらいの伸びるハシゴも出動してましたよ(笑)

すでに右側は綺麗に刈られていますね。



ベテランさん達は、木に命綱をかけ、仮払い機を使ってどんどん草や竹を刈って行きます。

凄いです。


もちろん、お仕事で慣れている方もいらっしゃいますが、ほとんどの方はボランティアに来てから仕事を覚えたのです。

その刈られた草を運び、袋に詰めて、3時くらいに午後の仕事を終えました。



それから温泉に入り、少し離れたスーパーで食料を買い込み、ボラセンで宿泊です。


以前は、夜は泊まれなかったので離れた場所に宿泊したのですが、避難区域が解除され、泊まれるようになったのです。

ボラセンは古い旅館を間借りしているので、部屋ならあります(笑)
(宿泊費は500円のカンパのみ。ただし、掃除のご奉仕つき。苦笑


ボラセンで、買ってきた食料を持ち寄って夕食を食べ、とっとと就寝です。





翌日、私達には大事なミッションがありました。
それは、チッパーを確保することです。

昨日の裏山清掃を仕上げるにはチッパーが不可欠なのです。

2日めは、数人を別の現場に向かわせました。
家具の運び出しのお仕事です。


人が戻ってきているので、こういった仕事も増えてきています。


力仕事なので、そちらは力自慢の男性陣に行ってもらい、年寄りはチッパーの運び出しをします(笑)


「ラダーはあるか?」
「エンジンかかるか?」
「燃料は?」

とやっていたら、引っ越し作業をしていた男性がやってきました。


「S田さん、S田さん!」

「ナニ?」

「これ見て下さい」

「ナニナニ?」

「トゲが刺さっちゃいました~!」







「……それを私にどうしろと…ムムム

「抜けませんか?」

「老眼だから見えないよ」

「え~?」

「だいたいだなぁ、そんなもんはほっといても死なないよ。そのうち皮ごとぽろっと取れるから」

そう言うと


「…そうですよね?このくらいなんともないですよね?」

としょんぼりしています(笑)



すると回りにいた男性陣が

「なんだなんだ?」
「え?トゲ?」
「お!これは抜かなきゃ!」

と騒ぎ出しました(笑)


おい!話を大きくするな!


「誰か!毛抜き持ってないか?」
「俺、持ってるぞ」


おい!なんでそんなもん持ってんだよ!


「ダメだ、毛抜きじゃ抜けないわ。針があればな」
「俺、カッターあるぞ」


やめなさ~い!



「こりゃ、〇〇さんに取って貰えばいいんじゃないか?〇〇さん、獣医さんだから」

え?彼女、獣医さんなの?

いや、人間の医者じゃないし!

まあ、大型動物だと思えばいいのか。

いやいや、大型動物はトゲなんか刺さないし!

そもそも、そんなトゲ、獣医関係ねーだろ!

自分で何とかしろ~!ジタバタ



しかし、気がつくと獣医さんは、大きな男の小さなトゲを、親切に取ってあげていたのでした(笑)




さて、2日めの私はチッパー係です!

足が痛いので、チッパーなら歩かずに済みます(笑)

去年、チッパー作業で合皮の手袋がボロボロになったので、こんな事もあろうかと、革手袋も買ってきていました!


これが相棒「チッパー2号」



私、これが大好きなんですよ。

バキバキと竹を飲み込むのを見てるとスカッとするんです。


でも、男の人でもこれを恐がる人が結構いるんですよね。


「これに手を挟まれたりしたらどうなるんですか?」
「うん?ミンチになるね」
「こえぇ~…」

って感じです。

私的には高い所で仮払い機を使う方がよっぽど恐いんですが、恐いと思うものは人それぞれなのです。

大きな音もしますからね。




しかし!この日の竹はしんど過ぎました!

細い竹ばかりなので楽勝だと思っていたのですが、今までの竹と繊維の強さが違うのです。


細かく粉砕されず、細い糸状になった繊維が、チッパーの中の歯やドラムに絡み付いて動きを止めるのです。

そのたびにチッパーを止め、フタを開けて繊維を手を突っ込んで取り除くのですが、これが大変!

ギザギザの歯がついたチッパーの中に手を突っ込んで、へばり付く繊維をむしり取っていく作業は本当に大変でした。


しかも、苦労して繊維を取り除き、やっと動かしたのに、また10分もしないで止まるのです。
もう「キーッ!」って感じですよ(笑)

いつもなら大量にチッパーに入れる竹を、恐る恐る半分くらいの量にして入れるのに、それでも止まる恐ろしさ。


30分で終わる程度の量だったのに、結局3時間もかかってしまいました。


いやあ、竹にも種類があるんでしょうかね?



最初はジャングルかというくらい繁っていた草が綺麗に刈り取られると、何と、そこに道があったのを発見!

奥に、朽ち果てた小さな建物があるということで、みんなで行くことに。



ちょっと待て!

私、足が痛いんですけど!

ちょっと!
私、足が痛いんだってば!(笑)




作業を終え、ボラセンに戻ると、何と、ご近所の方がスイカを切って待っていてくれました。

南相馬も、少しずつ人が戻っているのです。


福島では、誰もいない町で作業をしていることが多かったので、なんか不思議な感じです。



今回、初めてボランティアに参加し、私達と一緒にボラセンに泊まった方は、すっかり気に入ってしまったらしく
「ボランティア!チョー楽しい!次は?次はいつ行くの?」
とノリノリになっていました(笑)

体力的には大変ですが、まあ「大人の体験学習」ですから、やってみると楽しいんですよ。



帰りのバスの中で、近くに座った男性が

「チッパーって、恐くない?」

と聞いてきました。


「え?全然恐くないよ。何が恐いの?」

「だって、腕入れたら、バキバキ!ギャーってなるんでしょ?」


ホントにもう、男というのは…。


「…腕、入れなきゃいいじゃん…」

「いやそうだけど!でも、服とかひっかかって、うわーってなりそうでしょ!」

「…ならね~よ…。ひっかかったら外せばいいじゃん」

「そーだけど!そりゃそーなんだけど!」



もう、案外男は小心なんですよね?(笑)

チッパーは、竹の根元の太い部分を噛ませたら、後は自然と中に入っていくので手を離していいんです。

竹を何本か束ねて根元の方から噛ませる。
手を離してまた竹を拾う。

その繰り返しです。

大変アナログな機械なので、誤動作はありません。

機嫌が悪い時はエンジンがかからないくらいで、複雑な動きは一切しません。


ただ、いつもベテランさんがやってくれるので、私はエンジンをかけたり移動させたりしたことはありません。

なので、次にやる機会があったら、エンジンくらいはかけられるようになりたいな~と思っています。




南相馬のボランティアは、他の地域より、作業的には「山仕事」に近いです。

なので慣れが必要な部分もあるため、初めて南相馬に来た他の方はボランティアの専門性の高さに驚くようです(笑)

友人なんて、今じゃ私よりボランティアに行ってますから、当然ベテランの仲間入りですよ。


そして、ふと思いました。


あれ?17回も行ってたら、私もそろそろベテランなのかな?おぉ!


最初の崖は、こんなに綺麗になりました。